高齢者の父親が車の運転を諦めてくれた日・その1【父は認知症?と疑った日】
84歳という高齢者の父親が、やっと車の運転を諦めてくれました。
以前から「危ないからやめろ」と言っているにも関わらず、車に乗りつづけて家族としては本当に悩みどころでした。
それどころか車の話になると怒鳴り散らして全く聞く耳を持たない父。
車の運転をやめるように話をして5ヶ月。
事故を起こしてやっと運転を諦めてくれました。(物損事故です)
ここまでの経緯を時系列に沿って話します。
私たちのように、高齢の親が家族のいうことも聞かずに車を乗っている人たちもいるかと思います。
少しでも参考になさってください。
- 高齢者の免許更新テストにパスしてしまった父
- 住んでいる場所をこれほど疎ましく思ったことはない
- 父親、コタツで足を低温火傷をする
- 「絶対同居しない!車も運転する」と言い張る父親
- 高齢者の父が所有している車は何台?
- 試しに車のキーを隠してみた
高齢者の免許更新テストにパスしてしまった父
平成29年10月、父親84歳の誕生日。
父はこのとき、免許の更新でした。
この年齢になると免許更新のテストがあります。
「テストに落ちてくれ!」
真剣に思っていました。
それなのに、テストに通ってしまいました。
一体どんなテストをしているのでしょう?
なぜ落としてくれなかったのでしょう?
本当に免許更新のテストを恨みました。
元々は、父はこの日を境に免許を返納する予定でした。
というのも、この数年、体調を崩しており病院通いの日々。
・こんな体で事故でも起こしたら大変だから
・人身事故なんて起こしたら大変だから
・免許更新のテストに通らないかもしれないから
数年前から、「いい機会だから運転をやめよう」と考えていたようでした。
しかし!
そうは問屋がおろさない
物事は悪い方向へ進んでしまいました。
車の運転をしてもらおうと頼りにしていた母が急変
本来でしたら父は免許を返納する予定でいました。
なぜなら母に車の運転をしてもらうから。
父の元々の予定
・誕生日を機会に免許を返納する
・今まで体調が悪いときは母に運転してもらって病院に行っていた
・これからは母に運転してもらおう
・遠出するときは電車で行こう
こうなるはずでした。
私たちもその予定でいました。
ところが、その母親がその年(29年)の春に物損事故を起こしました!
それを機会に、母は車の運転をしなくなりました。
私たちも気がつくのが遅かったのですが、実はこの時の母は認知症が始まっていました。
私たちは「物損とはいえ、事故を起こしたのがショックで車の運転がいやになった」と思っていました。
父もそう思っていました。
だけど、毎日の暮らしの中で父は疑いを持ち始めます。
母、ボケた?
話の辻褄が合わないとか、
同じものを何回も買ってくるとか、
差し入れしてくれたご飯が傷んでいたとか
ちょっとおかしい?
でも、年だから仕方ないか?
なんて、家族は思っていました。
しかし!父親が免許更新する数ヶ月前
母は迷子になってしまい警察のお世話になりました。
マジか!
姉から「母、迷子。今、警察」という電報のようなラインを見たときには何が起きたのか、意味がわかりませんでした。
とにもかくにも、これで母がボケてしまったのは疑いようがありません。
こんな人に車の運転なんて言語道断です!
父が「体調が悪くても車を運転する・免許も更新する」と決めてしまった事件でした。
住んでいる場所をこれほど疎ましく思ったことはない
父と母が住んでいるところが、交通の便のいいところなら全く問題はありません。
車がないと本当に生きていけないような土地なんです。
今は多少田舎の方でも病院に行けるように自治体でバスを運行するなりして、色々工夫はしてくれています。
しかし、住んでいるところが本当に田舎の奥地。
本当に人住んでるの?と言いたくなるような場所なんです。
集落の外れなんです。
集落の真ん中、特に小学校の近くに住んでいたらバスもあるのですが、本当に集落の外れ。
あと数年したら人がいなくなるような集落です。
そんな場所に住んでいる父と母。
姉と一緒に住んでくれるか、姉の近くに住んでくれたらどれだけ楽になることか…
ただ、父親は言い出したら人の言うことは全く聞かないタイプ。
人にあれこれ言われて大人しくやる人ではありません。
私たち家族は見守るしかできませんでした。
父親、コタツで足を低温火傷をする
その後、なんとか年末年始を迎えました。
30年2月のある日、姉からラインが届きました。
しばらくは姉の家で厄介になると言うことでした。
それより、火傷した足でよく病院に行ったものです。
自分しか運転できないから、そこは無理してでも運転するしかないのですが。
姉宅にお世話になるなら、私も安心です。
そして姉から、
「このまま両親と同居したいと思う。
しかし、父親が納得しない。
一緒に説得してほしい」と言われました。
離れて暮らす私も同居してくれたら、それだけで安心です。
休みの日に姉宅へ行きました。
「絶対同居しない!車も運転する」と言い張る父親
まずは、火傷の見舞いをする。
そして世間話。
その後、同居の話へ持っていきました。
すると
「お前までそんなことを言うのか!
絶対同居はしない
車だって運転する!」と怒鳴ります。
私たちの言い分
・その足では車の運転は大変
・高齢者の事故のニュースのようになったらもっと大変
・もし人をはねたらどうするのか?
・事故を起こしたら保険がおりないかもしれない
・自分が気をつけていても、貰い事故だってある
・事故を起こしたら孫たちの人生も台無しになる。孫が可愛くないのか?
・病院に行く日は姉宅にいて、病院に行かない日は今の自宅に帰るようにしたらいい
父親の言い分
・こんなのは(低温火傷)怪我には入らない
・もっとひどい火傷を見たことがあるから、これは怪我ではない
・今度事故を起こしたら免許は取り上げになるのは自分が一番わかっている
・わかっているからこそ、誰よりも慎重に運転している
・だから事故を起こすなんてことはありえない
・今までだって保険はおりたから、今度だって保険はおりる
・貰い事故したら、なおせばいい
・人の世話にはならない、だから同居はしない
・孫のことは誰よりも自分が一番考えている。
・孫が○○高校に受かったら、その近くに土地を買って家を建ててやる
・こんなに孫のことを考えている祖父はどこを探してもいない
・みんなで、寄ってたかって同居しろと言う
・人の世話になんてならない
これ聞いてて、私はびっくりしました。
まさか父親もボケた?
あの…
この言い方、第3者が聞いたら
「ボケてる人が何か言ってる」
くらいに思われるよ?
一抹の不安を残したまま、その日の話し合いは終わりました。
高齢者の父が所有している車は何台?
父が所有している車は
軽トラック1台と、軽ワゴン1台です。
2台所有しています。
思わず
「軽ワゴン、私が乗って帰ろうか?」と言いました。
そうしたら
「無理。あのボロい車では無理」
さっさと却下されました。
物理的に車がなければ乗れないからいいアイデアと思いました。
軽ワゴン、あまりにボロくてとても走れないそうです。
試しに車のキーを隠してみた
いっそのこと、車のキーを隠すことにしました。
姉が仕事に持って行ったり、旦那さんに持ってもらったり色々試しました。
車に乗れないストレスからか、父は怒鳴るし暴れてしまいました。
姉からげっそりした様子で
「ごめん、キーは父に返した」とラインがきました。
こればかりは仕方ありません。
姉のことは責められません。
「わかった」としか言えませんでした。
そして車の運転を諦めるまでの苦しい5ヶ月が始まりました。
諦めるまでの日その2
諦めるまでの日その3