無償の愛が欲しかっただけ
私の親は、私の顔がわからなくなりました。
話しかけても話さなくても、表情を変えることはありません。
妹も「反応がないから面会の意味がない」と言います。
私が知っている親はもういない。
そう割り切って会った方がいいよと、
友達に言われました。
そうだよね。
あの施設には「◯◯さん」という人がいるだけです。
こんなになっても、私は親から愛されたかったようです。
無償の愛が欲しかった。
色々尽くして「ありがとう」と言ってもらいたかった。
そして私を愛して欲しかった。
子供ならもらえるであろう、親からの無償の愛が欲しかった。
その無償の愛を探して探して
でもどこにもなくて、誰もくれなくて
「この人もダメだった」と嘆く日々。
一体誰が私に無償の愛をくれるのだろう?
いつになったら私は無償の愛を得られるのだろう?
そうやって探す日々。
私の行動は全て無償の愛をもらうためのもの。
「これをやれば愛がもらえるだろう」
「こうしたら愛してもらる」
条件付きの愛。
そんな愛が欲しいんじゃない
欲しいのはそんな愛じゃない。
何をしても何をしなくても、もらえる無償の愛
返さなくてもいい無償の愛
無償の愛がいっぱいいっぱい欲しい
親がボケてしまってから、ようやくそんなことに気がつきました。