貧乏入門
小池さんの本はこれで3冊目になるだろうか。
読んでいくうちに、1冊まるまるっと読みたい本と
必要なところだけ読む本があることがわかる。
私にとって小池さんは後者。
ここに物を捨てられずにモヤモヤしている人間の心理が
見事なほどに書かれていた。
「あーわかるわかる」と、うなってしまったほど。
それは
捨てた方がスッキリするにもかかわらず
もったいないから捨てないでおこうとおこうと、
自分を騙してしまえるのです。
「自分を騙す」
そうか、そうとも言うか…
そうすることで何が起きるかというと
またそれが目に入った時、捨てられなかった自分
使わないものを持っている自分を思い出し嫌になる。
でも、やっぱり捨てられない。
見なければいいとばかりに押入れの奥に追いやってしまうというわけです。
そうそう、捨てられない自分を責めてしまう。
見ないふりをしてしまう。
これも逃げ。
では、それで心が忘れてくれるかというと
そんなことはありません。
それどころか心の闇の領域ではより激しく覚えています。
心のどこかでちゃんと「あそこにあれがある」って覚えている。
それが深く重くのしかかる。
やはり、一度捨てようと思ったのなら捨てた方がいい。
捨てない限り、ずっと悩まされるのだ。