女性の狂気を見事に書いている作品
人間誰しも狂気は持っていると思う。
ただそれが表にどう現れるか?だけ。
普段は顔を出さないが、ふとしたことで顔を出す。
それが狂気。
女は誰でもそんな一面を持っている。
それを教えてくれるのが唯川恵だと思う。
久しぶりに唯川さんの作品を読んだ。
一時期はものすごくはまって、ほとんどの作品を買い集めて読んだ。
今では本当に気に入った作品2冊だけ残して、あとは全て売ってしまった。
この人の作品に出てくる女性は身近な存在。
そんな人たちの裏の顔が作品に広がる。
それは決して華やかな世界ではない。
どちらかといえばドロドロした世界。
表向きはキャリアウーマンだったり主婦であったりお母さんだったり。
しかし内面には人に言えないようなドロドロを抱えている。
抱えているだけならいい。
そのドロドロが暴れるのだ。
牙を向けて襲ってくる。
誰がこんなこと想像できるだろう?
いや、誰も想像したくないだけ。
本当は自分の中にそういうドロドロな自分がいるから。
本当は知っている。
そんな自分も自分の中に取り込まれていて
たまたま大人しくしているだけ。
相手は暴れる機会を探している。
私を監視している。
唯川さんの作品を読むたびに、そう思うのだ。
そしてその作品から離れられない