欲望は抑えられない。それならば...
岩井志麻子のエッセーは好き嫌いが分かれそう。
この人は下ねたをどんどん書いてくる。
それをネタとして読むのは楽しい。
久しぶりに面白そうなタイトルを見つけたから読んでみた。
しょっぱなから西原理恵子さんの漫画で飛ばしてくる。
今回も自由奔放いろいろやらかしそうなエッセーだ。
そう言いつつも、この方は「欲望」と上手く付き合っている人だと思う。
自分の欲望に正直だから自由だし、その欲望のエッセーは人間の本性むき出し。
だからこそ面白い。
だからこそ読みたくなるのだ。
誰しも自分の欲望は隠したい。
それどころか格好よく見せたい。
そこを「なにすましておるんじゃ!」と、むき出しにするのが岩井さん。
この方にかかったらさっさと本音で語ったほうが早い。
そして、一緒に行動を共にしてみたいのだ。
人間の欲望にまみれた姿を見てみたいという好奇心をくすぐる。
それは岩井さんだけでなく、その周りの人たちも。
今回いたく感心したことがある。
まさに欲望で泣く女と笑う女の差。
それはどこにあるのだろうと思っていた。
世渡りが上手いからでもない。コネでもない。
なんといっても自分をどれだけわかっていて、どこに自分の環境を作るのか。
ここに尽きる。
本書に紹介されていた2人のおデブな女の子。
かたや一般の世界で生きている。
彼女は普通の男性と恋愛したいが、なかなか受け入れてもらえない。
「どうして誰も私をわかってくれないの!」と日夜叫ぶ。
もう一人の女の子はデブ専のお店で働いている。
そこでの彼女はモテモテ。
男性から「かわいい」と言われ、OL以上にお金を稼ぎまくる。
デブ専の男性から見たら彼女はとても可愛い存在なのだ。
人生ってまさにそこなんだな、きっと。
世の中にはデブ専という人がいるから、そんな人をターゲットにしたら
そのおデブちゃんは楽に生きていけるのだ。
「男の人にチヤホヤしてもらいたい」という欲望を素直に認め、
一般の男の人がチヤホヤしてくれないのなら
ダイエットしまくるか、おデブちゃん好きなひとにアプローチしたらいいのだ。
ダイエットは永遠のテーマだから手っ取り早いのがおデブちゃん好きな人探し。
そうやって自分を如何に方向転換できるかというのもポイントなのかもしれない。
欲望って向き合うのは恥ずかしいけど
これほど正直なものはない。
そして正直に生きたら、これほど楽になって味方してくれるものはない。
私の欲望。
みつめてみよう。
おお!出てくる出てくる。
同期の奴の発言が憎いわっ!
ただのやっかみじゃないか。